自分の理想を追求してこだわったので、原料や作成の手間、採算を考えていません。

例えば、粘度が高いので、原料を測ったり混ぜるのに特別な道具や時間、力が必要です。そのため必然的に糊としては高価になってしまいます。標本にこだわる方以外には高いと思われるかもしれません。

とはいっても、外食を1回控えればいいだけの価格です。飲みに行くのを1回我慢すれば、数本買えますし、標本を作る時間もでき、一石二鳥ではないでしょうか?

また、あなたの作業を大幅に時短でき、労力も減らせることで価格以上の価値があると思います。時間と手間をかけてまで開発しただけの価値はあったと満足しています。

コストダウンのために

当初は容器Aをこちらで洗浄して、その中に詰めて販売する予定でしたが、洗浄や充填には時間も手間もかかります。そうするとコストアップし、納期が遅れてしまういます。そのため、購入者様にこれらの作業をお願いすることで価格を抑えています。ご協力いただけますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

時短の価値

こちらの記事で紹介している通り、作業時間が5~6割削減できます。

10時間かかっていた作業なら5時間以下になったということです。この時間をより多くの標本作成や他の趣味など好きな時間に充てられるようになります。

博物館などのように標本作成を依頼している場合、例えば1日の作業時間が8時間から4時間になります。最低賃金レベルの時給1,000円としても、同じ数の標本を作成してもらうのに8,000円かかっていたのが4,000円になる計算です。たった1日の作業でおつりが来ます。

耐久性(経年劣化しにくい)や維持管理の価値

耐久性が低いと、定期的な手入れが必要となります。定期的に標本の状態をチェックし、劣化していれば修復する作業が必要です。標本数が多ければこれらの作業にも莫大な時間がかかることになりますが、ここまで見通して作業している人は少数派かもしれません。

チェックが行き届かず、台紙から虫体が落ちて標本を破損させた経験は誰しもあると思います。苦労して採集したり、高額で入手したり、苦労して作成した標本がこのような目に合うのはとても悲しいことです。

国立科学博物館のクラウドファンディングで有名になりましたが、博物館ですら、維持管理にかけられる費用は大きな危機に晒されています。長期保管に耐える糊を使うことで将来的な人手不足や資金不足に貢献できると考えます。

将来は博物館に標本を寄贈したいとお考えであれば、標本を作成する個人が、このような視点を持って標本を残す価値を改めて考える必要があるのではないでしょうか?